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傷ついているあなたへ③ ~ 大暑の頃’21


”心が弱いのではない。心の傷から血が流れているのだ。身体の傷であれば、血が流れているとき「強くなれ」とは言わないであろう。それと同じだ。心が強い弱いという問題ではなく、心の傷による痛みだと理解する。目に見えない心の傷が見える支援者になってほしい。”
(『ぼくらの中の「トラウマ」いたみを癒すということ』青木省三 筑摩書房、2019年)


みかんさん
こんにちは。メールを読みました。
長文を上手にまとめてくださってどうもありがとうございます。

感想を聞かせてほしいということでしたので、少し長くなってしまいますが書いてみました。
私もこれをカウンセリングとは考えていませんので、個人的な意見くらいに思ってあまり考え過ぎずにサラッと読んでみてください。


みかんさん、あなたは本当は密かに職場では人気者だったんですね。そうに違いないです。
だって、メールに出てくるだけで、ちょっとした呼び名やニックネームどれだけあります

①みかんさん(→親しみと愛らしさを込めたニックネームですね)
エース(→仕事しっかり頑張り屋
③泣き虫ちょっぴり恥ずかしがり屋のみかんちゃん(→本当の良さをみんなわかっている、欠点もいいところも含めて好かれていたんですね
④やまちゃん(→職場で対等に受け入れられている)

う~ん、すごい。『エース』なんて決してお世辞じゃ言えないですよ。私も人生で一度でいいからそう呼ばれてみたかった(*_*;

私たちの人生いろいろです。嫌な人に嫌な仕事、落ち込む日、メチャクチャしたい日、いろいろとったでしょう。
でもいろいろなことがあったにせよ、結局みかんさんは、仕事場の皆から仲間として親しまれ、受け入れられ、仕事もしっかりこなし高く評価されていたのです。それは動かしようのない事実です。きっと、皆さんもっと一緒に働きたかったのでしょう、みかんさんにいろいろ引っ張っていってもらいたかったのでしょう。

でも、みかんさんにはそのエネルギーがもう残っていなかったんです、その時はね。
頑張っても頑張っても、やっぱりエネルギーは補給しなきゃいつかは枯れてしまいます。
でも、心安らぐべき家庭や家族にあのようなひどい仕打ちを長い間受け続けて、どうやって力なんて、将来への夢や希望なんて出てきます?そのようなことまで周囲の人に伝わるものではありません。

社会に出て仕事に出る以前に、大きなハンディを背負っているようなものかもしれません。
頭をよぎるのはいつも「自分が悪い、ダメな人間」「よけいに頑張らないと」「完璧にやらなきゃ」「自分は嫌われているに違いない」だったかもしれません。

そんな中、周囲の人達と同じ仕事をこなしていくことはとても疲れることで、それは本当に無理からぬことなのです。
普通にみんなと一緒のスタートラインに立ってヨ~イドン!だったら、きっと誰にも負けないほどのスーパー(マーケット)ウーマンだったでしょうね、みかんさんは(^^)/

仕事を辞めてしまったのはとても悲しいことだったでしょう。でも心や身体からのSOSは、あのとき素直に受け取って良かったのだと考えるのも悪くありません。できない時はできない、でもできるときはできることを証明してきたのがみかんさんではなかったでしょうか

職場で示した能力、みかんさん思いの沢山の素敵な同僚や上司との関係は、みかんさんが勝ち得た永久不滅ポイント。いつか必ずみかんさんの将来の助けになるとっても貴重な財産です。これからも、そうした周りの人に少しずつでも甘えたりできるようになっていけるといいですね。きっと皆もそうしてほしいと考えているはずです。人を信頼する、だから自分も信じられるようになれるのでしょう。ほんの少しずつでいいんですよ。

さて、みかんさんは今後もこういった形のやり取りをしたいと考えていらっしゃるようですね。私は大歓迎ですが、そのことについて最後にひとつだけ。みかんさんは現在定期的に通院され治療に頑張っています。担当の先生はとても優しくて理解のある方ですね。そこで、このようなメールでのやりとりをすることについて、先生のご意見を伺ってみてほしいのです。

今のみかんさんにとって一番大切なのは、病院の先生との関係とそのアドバイスに従うことであることを忘れないでほしいと思います。先生がみかんさんの一番の理解者であり、症状や生活状態について一番よく知っているわけですから、ね。ですから先生以外の人間にも平行して相談していいかどうかは、先生の判断に任せてほしいと思うのです。

もしかすると、「今はまずはゆっくりと休養したほうがいい」「カウンセリングなら(メールではなく)直接面接の方がいい」「自分の知っているカウンセラーを試してほしい」など考えがおありかもしれません。必要ならみかんさんと私の今までのやり取りをお伝えして構いませんが、できれば先生のご意見を聞いてみましょう。

私の立場としては、あくまで先生の治療方針の邪魔にならないよう、みかんさんの『応援団』に徹するつもりです。もちょっとわかりやすく例えていうと、主治医の先生が、みかんさんの通う学校の優しい担任の先生だとすると、私はそこの保健室担当(あるいは仲良しの用務員さんか)ぐらいでしょうか(^-^;

以上です。長くなってごめんなさいね。
またいつでも連絡ください。
随分と暑くなってきましたので、くれぐれも体調お気遣いください。

(過去のトラウマ体験を遠因とする精神疾患の治療で通院する20歳女性への返信から)


最後までお読みいただいてありがとうございます。
 (当ブログ記事で言及されているエピソードや症例等については、プライバシーを配慮してご本人からの掲載許可をいただくか、もしくは文章の趣旨と論点を逸脱しない範囲で、内容や事実関係について修正や創作を加えて掲載しています。)

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by yellow-red-blue | 2021-07-24 10:12 | Trackback | Comments(0)

メンタルケアと心の相談室 C²-Waveのオフィシャルブログです。「いま」について日々感じること、心動かされる体験や出会いなど、思いつくまま綴っています。記事のどこかに読む人それぞれの「わたし」や「だれか」を見つけてもらえたら、と思っています。


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